富山県
明治時代には旧平村より村人が集団で北海道へやってきた。月形町を経て羽幌町へ入植した人々は、平地区を形成することとなった。
山本さんの曾祖父も旧平村出身だった。この地で米を造り、この地で一生を終えた。そして子孫であるやまもとさんは、先祖が苦労して開拓した田畑を受け継いだ。
昭和53年、山本さん38歳の時に『こきりこ唄』に出会った。平地区の住民が中心となり、祖先の故郷に伝わる伝統文化を羽幌町で広めようと『羽幌町こきりこ唄愛好会』を結成に加わったのだ。
結成当初、衣装を揃えるために平地区の休耕田を借り、秋蒔き小麦を植え、収穫して資金にした。先祖が生まれ育った旧平村を訪問し、村の風土を身体で感じとったこともある。「当時は若かったから苦労も楽しかった」と山本さんは語る。
昭和60年、『越中五箇山
去年11月には旧平村と羽幌町の友好町村締結30周年を記念し、地元の中・高生らとともに旧平村を訪問した。
今年は五箇山の保存会会員が来町し、小学生と交流を果たしている。
山本さんは、こきりこを踊った子ども達が、将来ほかのマチで暮らす時、『心の故郷』として誇りに思ってほしいと願っている。
新天地に根づいた
富山と羽幌の平を繋ぎ、このマチで暮らす人々を繋いでいる。