トップページ >笠井為宏さん(留萌市)

留萌駅とともに歩む・・・・・・笠井為宏さん(留萌市)

平成22年11月にJR留萌駅は開駅百周年の節目を迎える。
出会いと旅立ちの舞台としての駅、人それぞれに「想い出」のかたちが違っても心に刻まれた駅の姿がある。

笠井さんは昭和4年に留萌で生まれた。
笠井家は明治40年に富山県より留萌へ入植、山合いの幌糠地区で雑貨店を営んでいた。その後、昭和21年に留萌駅前に支店を構え、昭和28年には駅前支店を本店とし、米や小麦粉を主に扱うようになった。戦後、食糧が配給制であった頃には、精米や製粉の仕事が主体となった。
留萌駅前通り商店街の老舗として60年以上も留萌駅やその界隈を見つめ続けている。

駅は新天地へ赴く人を送り出し、希望を胸に秘めてこの地へやってくる人々を迎え入れ、日常の何気ない出来事さえも時として受け入れてきた。
戦地へ出征する人々を見送ったことも、戦地で無念の死を遂げた兵隊さんの無言の帰郷を見届けたこともあった。
ひとつひとつ記憶を手繰りよせながら笠井さんは語る。

昭和23年、東京の大学へ進学する笠井さんの旅立ちも留萌駅からだった。上野まで二晩がかりで上京した。大学卒業後は留萌に戻り、4代目として家業に励んだ。「昔は駅前を歩く人の雰囲気や服装で、どこからやって来たのかわかったものだ。」漁師や魚の行商人が多く利用するのは増毛線。駅前には「待合」と呼ばれた食堂や市場、娯楽施設があり、商店街は憩いの場として賑わった。

昭和40年代に駅舎が建て替えられ、駅前にはアーケードが登場し、商店街を訪れる市民の利便性は向上した。
「訪れる人々の期待に応えられる店や商店街でありたい」留萌駅前で商う者としての想いは今も変わらない。


2010.05.01 留萌市


◆フリーペーパーるもいfan通信 vol.25
 
笠井 為宏さん

昭和4年生まれ
留萌市出身
株式会社 笠井商店
代表取締役会長



昭和30年代の笠井商店前にて撮影



■株式会社 笠井商店
 〒077-0007
北海道留萌市栄町2丁目
TEL0164-42-1385

TOPにもどる